2015年3月に観た舞台

木ノ下歌舞伎『黒塚』観劇。歌舞伎舞踊『黒塚』を、現代の視点で描き出したもの。超ポップ。演出メチャかっこいい。選曲センス良すぎ。笑いがふんだんに盛り込まれたスピーディーな展開で、最初から最後までわくわくしっぱなしだった。老婆を演じた武谷公雄が神すぎる…。冒頭、足音をたてずにゆっくりと歩いて登場するだけで、もうオーラがすごい。恐ろしいながらもコミカルで笑える。台詞がいつしか中島みゆきの『時代』の歌詞になっていたり。すべての面で演出が冴えている。それでいて、鬼にならざるを得なかった老婆の悲しみが伝わってくる。最後に披露した舞もキレキレで、照明や音楽の効果もあいまって超かっこよかった!にしてもすごい運動量だな・・・。「もう一回観たい!」と思わせる痛快さ。

笠井叡新作『今晩は荒れ模様』鑑賞。上村なおか、黒田育世、白河直子、寺田みさこ、森下真樹、山田せつ子という、異なったキャリアの6人の女性ダンサーの競演。群舞ではなく、ソロやデュオ。とても見応えがあった。最初の、ラフマニノフのピアノ協奏曲第二番にのせた、黒田育世と寺田みさこのデュオがすさまじかった。白河直子のダンスもとても美しい。こうやって観ていると、6人の個性や身体性の違いがよくわかる。でも作品としてちぐはぐになっているわけではなく、いい相乗効果を生み出している。最後は、笠井さん、楽しんでるなあ、という感じ(笑)。最後に群舞が少しあって、そこで改めて6人のダンスを見ていると、その違いがますます強調される。そのなかで、黒田育世は、表情をつけながらのびのびと踊っていて、ああ、私はやっぱりこの人の踊りが好きだな、と思った。

3月の観劇本数は、なんと2本。なんか順調に本数が少なくなっている・・・。
仕事が忙しいというのがその理由だが、「どうしても観たい!」と思う舞台が少なくなったのかもしれない。とはいえ魅力的な公演はたくさんあるので、これは私個人の問題。
しかし、私の場合、単なる趣味だけで芝居を観ているわけではないので、そんなことは言ってられないのだ。多少無理してでも観劇の時間をもう少し作る必要性を感じている。そうでないと、あっという間に取り残されてしまう。せめて話題になっている舞台には足を運ぶようにしなくては・・・。
観劇は時間もエネルギーもお金も使うから、忙しかったり懐がさびしくなったりするとなんとなく敬遠してしまうが、それではダメだ。もっと自分を奮い立たさねば。
ということで、4月からはもっと本数を観たいところだが、それもちょっと難しそうな予感・・・。まあ、そういう時期なのかな・・・。