2017年に観た映画

『この世界の片隅に』。年明け早々良い映画を観られた。戦争によって平穏な日常が失われても、「まともな精神」を保ってしぶとく生きていく。自分を見失わず、周りの人たちを気遣い、今あるものに感謝し……。難しいことだ。『新宿スワンⅡ』。ヤクザの世界も絡…

2017年に観た舞台

2017年は生活環境が大きく変わったこともあり、観劇本数は42本とかなり少なくなりました。以下、長くなりますがTwitterからの引用。1月(観劇本数:1本) 松尾スズキ演出『キャバレー』観劇。主演である長澤まさみと小池徹平の話よりも、秋山菜津子と小松和…

2016年の演劇ベストテン

2016年の演劇ベストテン 観劇本数:74本 1位:ホリプロ『娼年』(原作:石田衣良『娼年』『逝年』、脚本・演出:三浦大輔) 2位:On7『ま◯この話〜あるいはヴァギナ・モノローグス〜』 3位:パルテノン多摩×FUKAIPRODUCE 羽衣『愛いっぱいの愛を』 4位:Q『…

2016年12月に観た舞台

ドキュントメント『となりの街の知らない踊り子』観劇。北尾亘によるダンスを交えた一人芝居。現代社会に生きる複数の人の視点を通して、多角的に「現代」「東京」をとらえる。スマホ、SNS、人身事故──。都会には様々な「他者」がいて、それぞれ知らんぷりを…

2016年11月に観た舞台

劇団チョコレートケーキ『治天ノ君』観劇。大正天皇の物語。非常に人間らしく、好奇心旺盛で、自由だった大正天皇。しかし幼少から体が弱く、父・明治天皇ほどの才覚がなかったことから、「天皇としてふさわしくない」とプレッシャーをかけられる。それでも…

2016年10月に観た舞台

勅使川原三郎×山下洋輔『up』鑑賞。ダンスとジャズピアノのセッション。すごかった……。クライマックスでの山下洋輔は神がかっていた。馬もリズムに合っていた(というか山下洋輔が馬を見ながら弾いていた)。馬に跨る佐東利穂子の捌きもすごい。大人しい馬だ…

2016年9月に観た舞台

ホリプロ『娼年』(三浦大輔脚本・演出) 石田衣良の『娼年』『逝年』を原作に、三浦大輔が脚本を書いて演出した作品。セックスを介したコミュニケーションの話。主演の松坂桃李はじめ、女優も皆脱いで、身体を張ってギリギリのところまで舞台でセックスを表…

2016年8月に観た舞台

劇団桟敷童子『夏に死す』 劇団初の現代劇。とはいえやはりいつもの桟敷童子。舞台は九州だし、ミツバチを育てる自然農園が出てきたりするし、美術や演出もいつもの感じなので、違和感は全然なかった。ミツバチ農園の部分は以前東憲司さんが外部で作・演出を…

2016年7月に観た舞台

国分寺大人倶楽部『ラストダンス』 国分寺大人倶楽部の解散公演。今まで若者たちの青春や恋愛を描いてきた河西裕介が、最終公演で「大人」を描いた。恋愛に一喜一憂したり友人たちとワイワイやってた楽しい若い時代。しかし年をとると若いころのようにはいか…

2016年6月に観た舞台

木ノ下歌舞伎『義経千本桜』 極度の睡眠不足のため前半結構寝てしまったのが無念も、多田さんらしい演出満載で楽しかった。後半『渡海屋・大物浦』のクライマックスはすごい。終わり方はもっとあっさりめのほうが好み。今の日本に対するメッセージを入れたか…

2016年5月に観た舞台

モダンスイマーズ『嗚呼いま、だから愛。』観劇。最近社会問題ともなっている、夫婦のセックスレスの話。セックスレスで悩む女性が、美人の姉や、妊娠した友人などの周囲の女性と自分の境遇を比べ、どんどん自己卑下していく。その様は痛々しくて切ないのだ…

2016年4月に観た舞台

カムヰヤッセン『レドモン』観劇。劇団初見。SFものだけど感動させる系の話。脚本も演出も役者も上手いのだけど、そつがなさすぎるというか、「上手い」という以上のものが感じとれなかった。もっとどこかを外してみてもいいのでは。でも毎回作風が変わるら…

2016年3月に観た舞台

Straw&Berry『モリー』観劇。やたらとダメ男にモテる女の子が主人公。彼女のルームメイトなどほかの登場人物の恋愛模様もさらりと描く。うーん、もっとほかの登場人物の話も突っ込んでほしかったかも。主人公の女の子に共感できず、あまり入りこめなかった。…

2016年2月に観た舞台

座・高円寺寄席へ。高円寺演芸まつりで、高円寺のあちこちで落語をやっている。今夜は古今亭志ん輔の『火焔太鼓』他一席、桂吉坊の『胴乱の幸助』他一席。志ん輔の人情話がすごくて、引き込まれた。上方落語の桂吉坊も若いのにすごくうまくて、もう笑った笑…

2016年1月に観た舞台

青年団リンク ホエイ『珈琲法要』観劇。実際にあった津軽藩士殉難事件を元に書かれたもの。かなりシリアスな内容なのだが、全編津軽弁で、山田百次の脚本らしく登場人物の会話のやりとりがおかしくて、楽しんで観られた。津軽弁の響きはなんとなくユーモラス…

IAFT『客』

IAFT『客』観劇。完全予約制で、観客は自分たった一人。上演時間は約20分。観客一人に対して役者一人が付き添って回遊するという体験型の演劇だ。場所は非公開で、予約した観客にのみメールで知らされる。観客は指定された場所へ赴き、〝体験″する。 そこは…

the PLAY/GROUND vol.0『ブルールーム』

the PLAY/GROUND vol.0『ブルールーム』観劇。デヴィッド・ヘアーの脚本を、元tptの薛珠麗が演出したもの。男女の愛や性、裏切りを描いた脚本が面白い。演出・美術・照明・音楽が洗練されていてオシャレ。役者もよく、芝居全体の雰囲気がとても心地良かった…

2015年の舞台ベストテン

2015年観劇本数:63本ベストテン1位:アンジェリカ・リデル『地上に広がる大空(ウェンディ・シンドローム)』 2位:ゴキブリコンビナート『ゴキブリハートカクテル』 3位:ブス会*『お母さんが一緒』 4位:Co.山田うん『舞踊奇想曲 モナカ』 5位:寺山修司…

2015年12月に観た舞台

飴屋法水作・演出『ブルーシート』観劇。初演は2013年。飴屋法水が、いわき総合高等学校総合学科の10名の生徒たちと作り上げた作品だ。彼らは、震災があった2011年に高校を受験した。震災があったせいで合格発表が一ヶ月遅れ、入学後は校庭に建てられた仮設…

2015年11月に観た舞台

MCR『我が猥褻、罪なき罪』観劇。辛かった…話が面白くないし、笑いも中途半端。脚本がギリギリだったのか、役者は台詞が入っていない。自分には合わなかった。 マーティン・マクドナー作、小川絵梨子翻訳・演出『スポケーンの左手』観劇。どこにも行き場のな…

2015年10月に観た舞台

ロベール・ルパージュ『針とアヘン』観劇。ルパージュの新作。宙に浮かぶ立方体の部屋(星空にもなる)が回転し、そこで俳優が演じる。マイルス・ディヴィスの曲を演奏するトランペット奏者も登場。魔術的な映像で、俳優が空中を飛んでいるように見えたり、…

ナショナル・シアター・ライブ『スカイライト』

演劇界最高峰の英国ロイヤル・ナショナル・シアターが、イギリスやニューヨークで上演された舞台のなかから特に注目の演目を選び、最新技術によりデジタル映像化して映画館で上演するプロジェクト『ナショナル・シアター・ライブ』。 現在、世界40か国以上で…

2015年9月に観た舞台

KERA・MAP『グッドバイ』観劇。太宰治の小説が原作。といっても原作を使っているのは第一部の途中までで、それ以降はKERAの創作のようだ。妻がいるのに愛人が何人もいる男・田島。妻と子どもは疎開先に残したままだ。しかしあるとき心機一転して女たちと別れ…

2015年8月に観た舞台

KAATで、岡田利規台本・演出『わかったさんのクッキー』観劇。劇場内に色とりどりのおもちゃが。そして、椅子ひとつひとつにクッキーのクッションが置かれていたりなど、様々な工夫が。芝居もいろんな仕掛けがあって面白い。子どもたちが目をきらきらさ…

2015年7月に観た舞台

黒田育世新作『波と暮らして』鑑賞。柳本雅寛と黒田育世のデュオなのだが、ソロで踊るシーンも。柳本雅寛はダイナミックな踊りで目を引く。黒田育世はあるときは無邪気な笑顔を浮かべながらステップを踏み、あるときは犬のような恰好で険しく唸り、あるとき…

2015年6月に観た舞台

大森靖子×根本宗子『夏果て幸せの果て』観劇。うーん、イマイチだった…。やりたいことはわかるのだけど、うまくいってない気が。あまり楽しめなかったのは、私が大森靖子という人を知らなかったせいもあるかな。鳥肌実の使い方がすごいもったいない。なんか…

2015年5月に観た舞台

イキウメ『聖地X』観劇。不思議な力のある場所。そこでは、人間が望んだものが物体として出てきてしまう。誰かにそこにいてほしいと望むと、その人物の「ドッペルゲンガー」が生み出されてしまう……というお話。夫に愛想を尽かした妻が実家に帰ってくると、…

2015年4月に観た舞台

シアターコクーンで『禁断の裸体』観劇。ブラジルの劇作家ネルソン・ロドリゲスの戯曲を、三浦大輔が演出したもの。私は事前に戯曲を読ませていただく機会があったので、すんなり劇世界に入り込むことができた。登場人物は皆やたらと激しく欲望剥き出し。セ…

2015年3月に観た舞台

木ノ下歌舞伎『黒塚』観劇。歌舞伎舞踊『黒塚』を、現代の視点で描き出したもの。超ポップ。演出メチャかっこいい。選曲センス良すぎ。笑いがふんだんに盛り込まれたスピーディーな展開で、最初から最後までわくわくしっぱなしだった。老婆を演じた武谷公雄…

2015年2月に観た舞台

『自作自演』江本純子×飴屋法水。ただのリーディングではなくパフォーマンス。江本さんは自分の小説に登場する複数の女たちを「演じて」おり、それが見 事。飴屋さんは音響ブースで様々な音を遊びながら『教室』『ブルーシート』『地面』を読むパフォーマン…