2015年1月に観た舞台

スタジオライフ『大いなる遺産』観劇。笠原浩夫さんがピップ、松本慎也さんがヤングピップのバージョンを観劇。笠原さんの名前が最初に出ているから、てっきり笠原さんがメインなのかと思ったらそうではなく、ちょっとがっかり。ヤングピップがメイン。チャールズ・ディケンズの代表作のひとつ。ロンドンウエストエンドで上演され絶賛されたというジョー・クリフォード版の舞台。スタジオライフが日本で初演。ストーリーは、うーん、そんなに面白いとは思わなかったけれど、役者は皆よかったです。19世紀のイギリス。貧しい少年が、あることがきっかけで村を飛び出し、上流社会に足を踏み入れるが、いろいろな状況が明らかになるなか、自分の人生これでいいのかと迷い・・というような話。この時代のヨーロッパの階級社会、というのがわからないと、理解しづらい。

マームとジプシー『カタチノチガウ』観劇。ダーク・ファンタジーのような趣で、マームとジプシーとしては異色の作品だと思った。薄暗い照明、天井から吊り下げられた様々な形のランプ、ゆったりとした白いチュニックワンピースを着た3人の女の子・・・。「これからなにがはじまるんだろう」とゾクゾク。音楽、台詞、役者の動き、映像、美術、照明。すべてが絶妙に溶け合って一つの世界を構築。外に向かって開かれている世界ではなく、それぞれのなかに深く潜んでいく世界。役者の身体は、今回はいつにもまして凄かった。幼くピュアに見える女の子たちの身体から発せられるエロス。

鳥公園『空白の色はなにいろか?』観劇。寝てしまった…。なんか置いてけぼりにされたような。うーん。

ニブロールリアルリアリティ』鑑賞。うーん、まったく乗れないまま終わってしまった…。前作『see/saw』がすごくよかったから期待していたのだ が。踊りがすごいわけでもなければ、テーマに打たれるわけでもない。そもそも、テーマらしきものがあるのはわかるけど、伝わってこない。

モダンスイマーズ『悲しみよ、消えないでくれ』観劇。古山憲太郎さん演じる男がいろいろダメすぎてムカつくのだが、よくよく考えてみると、この男は本質的にはなにも悪いことはしていなくて、ただタイミングが悪かっただけなのだ。けれど人は、なにかが起こったとき、誰かを責めたくなってしまうもの。自分の悲しみややるせなさを、誰かを「悪者」にして責めることで解消しようとする。そうしてしまうのは、皆どうしようもなく孤独だからだ。そんな孤独な者同士が互いを責めながらも最後に許しのきざしがあらわれる。そのの尊さ。でんでん、素晴らしい。

1月の観劇本数は5本。少ない・・・。
マームとジプシー、モダンスイマーズが面白かったです。