2014年の舞台ベストテン

2014年観劇本数:108本(これから観劇予定の2本含む)

ベストテン
1位:ベッド&メイキングス『南の島に雪が降る
2位:さいたまネクスト・シアター第5回公演2014年・蒼白の少年少女たちによる『カリギュラ
3位:ゴキブリコンビナート『毛穴からニュートリノ
4位:FUKAIPRODUCE羽衣『よるべナイター』
5位:アル☆カンパニー『失望のむこうがわ』
6位:『炎アンサンディ』
7位:『ビッグ・フェラー』
8位:F/T14『透明な隣人〜8-エイト-によせて』
9位:財団、江本純子『人生2ねんせい』
10位:葛河思潮社背信

総括:観劇本数は少なかったが、ある程度選んで観るようになったせいか、当たりが多かった。ほかベストテンに入れるか迷ったのは、Q『迷迷Q』、マームとジプシー『^^^かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっとーーー』。今年は芝居だけでなくオペラや大衆演劇など、普段観ない舞台を観ることができたのもよかった。オペラは新国立劇場で『死の都』と『ヴォツェック』を、大衆演劇木馬館で一見劇団の『森の石松』、篠原演芸場で『章劇』を観て、いずれも面白かった。若手の才能ある作家も多く出てきて、それぞれ海外で公演を行ったりと活躍していて、小劇場シーンが活気づいているのを感じる。私が今、若手作家で注目しているのは、鳥公園の西尾佳織、Qの市原佐都子。西尾はF/T14で、同性婚を扱うアメリカの裁判劇『8-エイト-』を上演するはずだったが、「同性婚は良いこと」だと一方的に提示する原作に違和感を覚え、自身でそれをモチーフにした戯曲『透明な隣人〜8-エイト-によせて』を書き、演出。演劇を通して、「人と人とが愛し合い、生活をともにする上で訪れる悩みは、セクシャルマイノリティの人に限らず普遍的なものだ」と示したのは、大いに評価したい。しかし、ほかに、小劇場界で「話題の」作品、たとえばTwitterなどで演劇批評家などが絶賛しているような芝居を観に行っても、面白いとは感じることは少なかった。私は批評家ではないし、別に芝居の良さとか、演出の意図とかを見つけて批評する必要はないのだ、と思った。人の意見や評価といったものに惑わされず、自分が好きなもの、観たいもの、価値があると感じるものだけを観たい。それが本来の演劇の楽しみ方だと思うから。好き勝手に感じるままに観ていいのだ。そう考えられるようになったのが、今年の収穫。