1月に観た舞台

エレファントムーン『罪を喰らう』観劇。今年の初観劇だったけど、面白くなかった。話がつまらないし、まったりして展開もいまいちで引き込まれない。キャラにも魅力がない。

東京デスロック『東京ノート』観劇。すごく面白かった、という当たり前のことを言うのがなんか嫌になるような、だったらなにも言いたくなくなるような、自分のなかだけでそっと大切にしておきたいような、そんな素敵な作品でした。東京デスロックを観るたびに、「演劇でこんなことができるんだ!」という発見があるのだが、今回は特にそれが強かった。それに東京復帰前の三部作も観ており、その関連もわかるから、興味深かった。

『11人いる!』観劇。すごく面白かった!初演よりスピード感があり、最後まで息つく間もなく一気に魅せる。なんていい話なんだろうと改めて思う。友情、愛、青春、生と死。短いなかにすべてがぎゅっと詰まっている。11人分のキャラクターもよく出ていた。原作の漫画も大好きだけど舞台もすごくいい

昨日の祝賀会『冬の短篇』観劇。噂では聞いていたけど初見の劇団。永井若葉さんと光瀬指絵さんのユニットなのね。5本の短編集。話自体は面白いのとそうでもないのがあったが、話と話の繋ぎ方がユニークでよかった。最後の話が一番面白かったかな。役者、とくに女優陣がとても素敵だった。

時間堂『テヘランでロリータを読む』観劇。すごく面白かった。こういう演劇は大好きだ。観ていて想像がどんどん膨らみ、いろいろなことを考えた。テヘランが舞台。抑圧された女性たちは秘密のクラスでロリータを読む…。女性の生き方、男性の生き方、そして文学の力、想像力のすごさ…。抑圧されている女性たちにとって、外国の小説を読むことがいかに貴重なことか。思うに、本を読むという行為は、抑圧されている環境であればあるほど切実なものになるのではないだろうか。私が最も本を読んでいたのは受験生のときで、あれ以上本を読むことはもうないだろう。それにしても、この芝居に出てくる女性たちはなんてキラキラしてるんだろう。抑圧されていながらそれに自分なりのやりかたで反発し、自ら変わり、外に出ていこうとする。そして、これは男たちの物語でもあると思った。「男は一度女になってみればいい」というセリフが好き。本当にそう思う。

マームとジプシー『あ、ストレンジャー』観劇。SNACでやった1時間ほどの初演もすごくよかったけれど、今回、吉祥寺シアターという広い空間を生かした演出で、より洗練されパワーアップした感じ。初演にはなかったエピソードも盛り込まれていた。マイクやビデオカメラを駆使した演出がかっこいい。

演劇集団砂地『Disk』観劇。劇団初見。面白かった。抽象性の高い舞台美術が効果的。その上で、俳優たちが真摯にセリフを発し、ぶつかり合う。明確なストーリーらしいものはないが、言葉一つ一つが響いてくる。特にキョウコの叫びは痛い。

毛皮族『ヤバレー、虫の息だぜ』観劇。毛皮族がパリ公演を行った際に観たという『クレイジーホース』に触発されて、というかそれをパクってできた作品らしい。ショーとしては見所あり楽しめた。女優たちの露出度もいつにも増して高く、ダンスや早替えなどよくやっていた。ただストーリーは薄く不満。

『祈りと怪物』観劇。三姉妹に焦点を絞った話かと思っていたがそうではなく、登場人物が多い複雑な話。あまり自分好みの話ではなかった。森田剛はよかったが出番少なく不満。

劇団宝船番外泥船公演『撫で撫で』観劇。身につまされる話だった。37歳の女性二人が主人公。片や、子供がほしいという理由でたいして好きでもない男と結婚し、滑稽なほど子作りに励んでいる。片や、将来のことなどなにも考えずに、エロライターという仕事をしながらダメ男と付き合っている。舞台では2人の女性の部屋が示され、彼女たちの対象的な生き方、考え方が浮かび上がる。終盤、二人がやりあう喧嘩がすごい。結婚して子供ができた女が、結婚していないもう一人の女に言う台詞がささる。「子供がいなくて本当にいいの?10年後、20年後、本当に後悔しない?」ラストで二人の女性の姿を見ながら、どっちがいったい幸せなのか、自分はどっちになりたいのか、と考えた。好きでもない男と結婚して子供を産むことが幸せなのか。将来のことなど考えずダメ男やすごい年下の男と気の向くまま付き合うのが幸せなのか。うーむ。。。ちょうど私の年齢で、同じ境遇の女性が出てくるので、どうしても自分の側に引き寄せて観てしまう。いろいろ考えさせられた。やっぱり子供はいたほうがいいのかな、とか思った。子供を作るとしたら今しかないのだし、10年後に後悔とかしたくないし。

1月の観劇本数は10本。
ベストワンは東京デスロック『東京ノート』。