東京デスロック『再/生<多田淳之介+フランケンズver.>』

東京デスロック『再/生<多田淳之介+フランケンズver.>』

演/出◇多田淳之介 出/演【中野成樹+フランケンズ】石橋志保 小泉真希 斎藤淳子 野島真理 洪雄大 竹田英司 福田毅 村上聡一
7/16〜24◎STスポット

先日観たデスロックver.に比べると、かなり初演に近い。
男女が鍋を囲み、音楽に合わせて踊ったり歌ったりしゃべったり・・・というシーンが3回繰り返され、最後は皆バタバタ倒れていく。
だが、初演にあった集団自殺という設定はなく(最初に皆で薬を飲むシーンはあったが、なんの薬かははっきりわからない)、最後に血を流したりもしない。かかる曲も違う。
初演にあったそうした設定をなくしたことで、よりシンプルに「生」というテーマを描いているように思った。
同じシーンが3回繰り返されるのだが、正確には全く同じではなく、台詞や動きが微妙に異なっている。また、照明も変わり、回を繰り返すごとに明るく白っぽくなっていく。音響も変わっているのか、回を繰り返すごとに台詞が聞きとりやすくなっていったように思えた。
俳優たちは激しく動き、踊るので、だんだん疲弊していく。その疲弊した身体を見せることで「生」を描く、というのは初演でもやっていたことなのだが、今回はなにより、フランケンズの俳優たちがそれをやってのけたということに衝撃を受けた。
ナカフラはよく観ていて、俳優たちが上手いというのも知っていたけれども、これほど生き生きと弾け、激しく動き、踊り狂い、限界ギリギリまで体を疲弊させることができるとは。俳優たちのポテンシャルと、それを引き出す多田さんのすごさを感じた。
デスロックver.と同じく、俳優一人ひとりの動きを見ているだけで面白い。誰に注目して見るかで見方が全然変わってくるし、しかもどの人もとても個性的で面白いものだから、全員の動きを追いたくて、でも同時に全員の動きを追うことは不可能で。これはリピーターが出るのも頷ける。
デスロックver.もタダフラver.も、できればもう一度観たかった。