メガロザ『SとNの終わらない旅』

メガロザ『SとNの終わらない旅』

作・演出◇目黒二重 出演◇苗村大祐 こじまゆき 恩田嘉子(劇団 始発列車) 関根史明(護送撃団方式) 新井史美(R.S.H.B) 市原ユウイチ(劇団アニマル王子) 塚田隼輔(劇団三年三組) 山田直人 島内遊樹 田村麻未 田野友里恵 都築衣織 宮崎裕海 月野木歩美(サモ・アリナンズ) 目黒二重
7/13〜18◎SPACE雑遊

劇団初見。勝手な印象として、「暗い芝居を上演する劇団」だと思い込んでいたのだが、実際に観てみると全く違っていた。
SとNという夫婦が結婚してからの4年間の物語。そこに様々なナンセンスなエピソードが絡み合う。
部員が2人しかいないのに甲子園を目指している球児とマネージャー。
怪しい宗教の勧誘をしているおばさん。
トランクス一丁で棒立ちになり棒読みに台詞を語る「棒」。
ビキニ姿でアイドル活動をし、なぜか宗教の勧誘もするメリールー。
そのメリールーの小学生の娘の蝶子と、同級生のとんぼの淡い恋愛。
・・・などなど、いろんなエピソードが描かれているのだが、あくまで中心になっているのはSとNの話。
夫のSは現実主義者。夢を見ず、現実ばかり見ている。工場で働いている。
妻のNは理想主義者。夢ばかり見て、現実を見ていない。27歳になるのに女優の夢を諦めきれず、劇団をやっている。そのため家事も疎かになり、仕事もしていないため家計も苦しい。
Nは幼少期から父親による暴力を受けていて、それがトラウマとなって精神を患っている。
Sとの結婚生活がうまくいかなくなると、精神が崩壊し、リストカットを繰り返したり、ODしたりする。
SはいったんはNと別れようとするが、もう一度2人で新婚旅行で行った伊勢神社へ行き、またやり直すことを決める・・・。
Nのキャラクターがすごく人間的に描かれていて好感を持った。
希望の持てるラストもいい。